フィッシュファクトリー構想とは

地域の基幹産業としての新たな養殖システム

主に魚類の完全養殖の技術開発、事業化、普及のための実証事業の展開を行う場を構築します。

  • 魚のまち釜石のランドマークの一つとなるために、三陸の養殖ブランドのマス・サケを安定して供給し、天然サケ・マスの漁獲量の変動を補完するだけでなく、旬の時期を外した春夏の出荷・通年を通した生産、加工、販売を可能とし、操業、事業収入、雇用の安定を目指します。
  • 最終目標は15年以内に三陸に年間一万五千トンの生産量、生産高100億円の養殖産業の育成を目指します。
  • 餌、資材、加工、販売、施設整備・維持等での関連産業への経済波及効果として約200億円、300人の直接雇用創出を目指します。

主な事業

釜石フィッシュファクトリー構想では以下の4つの事業展開で三陸水産の革新を図ることを検討します。

1.育種開発研究事業

遺伝子レベルの科学的知見をベースとした養殖三陸ブランドのマス・サケを創出します。釜石水産研究センター敷地内に事業所を設けます。
運営費は主に公的研究開発費、委託研究費としますが、将来は苗種生産事業からと関連産業からの寄付金の支援も受けます。運営は岩手大学教職員が主に行います。

2.養殖用苗種生産事業

完全養殖による健康でウイルスや菌をもたない稚魚の大量生産事業を行います。養殖による水産業の発展には安定した苗種生産体制の確立が不可欠です。現在の零細個人経営の体制では数百億円規模の生産高を維持する増殖事業は支えられません。種苗事業者高齢化が進んでおり、現在の生産体制もいずれ維持できなくなります。
加えて感染症のまん延の防止や感染症の封じ込めを効果的におこなうためにも、徹底した衛生管理と検査体制を整えた大規模な苗種生産体制を整えます。

3.実証生産事業

事業性の実証と養殖関連機器の開発改良のための事業を年間生産高1000トンレベル(十億円相当)の規模の成魚生産を行います。陸上養殖は泉地区作業場、海面養殖(可能な場合)は泉地区作業場前小綱崎周辺防波堤海域とします。稚魚の中間養殖と給餌育養による成魚生産を行います。
同時に施設では養殖関連技術の試験研究も行います。(自動給餌、水質管理、清掃等の自動化、餌や薬品の試験、クオリティコントロール)

4.海外販売促進事業

人口ボーナスを活かしたアジア圏の経済成長は今後も継続することはマクロ経済原理から大きなトレンドとしては間違いありません。経済的な余裕は食生活にも大きな変化をもたらしますが、最近の健康志向の世界的なトレンドや日本食の海外での普及が漁食の需要が拡大することが容易に予測されます。
アジア圏の特に中華圏とイスラム圏をターゲットした三陸(SANRIKU)ブランドの普及を通して、三陸水産の海外プロモーションを加速化して販売を促進する事業を展開します。

釜石における魚類養殖の歴史

鉄と魚とラグビーの街、岩手県釜石市は、岩手県沿岸で唯一魚類養殖の施策を推進した歴史があります。

平成7年に第三セクター(株)サンロックを立ち上げ、マツカワとチョウザメの養殖事業を行ってきました。
平成23年の東日本大震災で養殖施設が被災し、養殖事業は中断することとなりましたが、それまで街をあげて消費拡大などの取り組みを行ってきました。

陸上養殖の予定候補地

2017年9月撮影

2017年9月撮影

被災地では、浸水した漁港の後背地の空き地が目立ちます。住宅地としての利用は不可であり、企業誘致等を進めていますが現状は計画どおり進んでいません。

このような土地の利活用に陸上養殖が期待されます。

養殖事業の実用化に向けたスケジュール案

第一フェーズ(3年)
  • プラットフォームでの活動が主体
  • 事業推進の高度専門人材育成
  • 平田地区に実証施設の建設(年産20トン規模)
  • 単一魚種の生産による施設性能試験・改良
第二フェーズ(3年)
  • 法人での活動に移行
  • 平田地区に追加施設整備と複数魚種生産試験
  • 生産販売による事業性の総合評価
  • 施設運用データのAIによる収集分析開始
  • 施設設備販売に向けて生産体制の整備
  • フィッシュファクトリー基本設計開始と用地確定、建設資金調達
第三フェーズ(3年)
  • フィッシュファクトリー詳細設計施工運用開始(年産100トンから開始し、最終的には2000トンを目指す)
  • 出資者募集
  • テナント募集
  • 当初生産魚種は少なくとも5種を確保する。のちに10種類へ。
  • システム運用人材の育成プログラム開始