岩手大学における研究のご紹介

釜石サテライトの三陸水産研究センターでは、平成28年度の国立大学改革基盤強化促進費により温度調節機能付半循環型飼育試験設備ほかを整備し、岩手県内水面水産技術センターと共同でサクラマス(ヤマメ)幼魚の海水飼育実験を開始しました。

サクラマスは、春に定置網などで漁獲され、とても美味であり高値で取引されます。岩手県では放流事業による資源の増大を図ってきましたが、漁獲量はあまり増えていません。一方で、世界的な需要の伸びにも後押しされ、全国的には海を使ったサーモン養殖が注目されており、ギンザケ、トラウトサーモン(ニジマス)に続く魚種としてサクラマスに注目が集まりつつあります。

岩手では、雌は幼魚期に体色が銀色のスモルト(銀毛)となって、ほとんどが降海し、大きく成長しますが、一方で、雄は銀化とならずほとんどがヤマメとして、河川で小型のまま一生を過ごします。しかし、放流量に対して海での漁獲量は多くはありません。そこで、当センターでは、新しく整備した施設を使用して、内陸部で淡水飼育していたサクラマスを海水に馴らすことで、陸上において大型のサクラマスを効率的に生産するための研究を行っています。

閉鎖循環型養殖実験装置等

岩手大学にある閉鎖循環型陸上養殖システム